壁素材として定番の漆喰はお手入れが簡単なことで知られています。
しかし、生活していると傷とは無縁ではいられません。
「漆喰にひびがあって気になる…」
「小さな穴があるけど補修を頼むべきかどうか…」
そんな悩みを持っている方も少なくないでしょう。
でも漆喰は、DIYで十分補修できる場合も多いのです。
この記事では、DIYでの補修方法と、DIYかプロかの判断基準について分かりやすく解説していきます。
- 漆喰壁をDIYで補修する方法がわかる
- ひび・穴の程度ごとに最適な補修方法がわかる
- できるだけ汚さずに補修する方法がわかる
ひび(クラック)の補修方法

漆喰壁はひびのできやすい素材で、ある意味それを含めて漆喰の奥深さともなっています。
しかし見た目の統一性を損なうのは事実のため、DIYでの補修方法を知っておくと便利です。
ひびができた場合は、まずその程度の大小によって対応策が変わります。
ごく小さなひび
チョークを使用して塗り込む、という方法で大丈夫です。
チョークをこすり付けてから、指で馴染ませるようにすると、キレイに仕上がります。
小さなひび
ちょっとしたひびならDIYで充分に補修できます。
<用意する道具>
- スプレー(霧吹き)
- 筆
<手順>
- スプレーで水を吹きかける
- 水を加えた漆喰を筆で取り上げる
- ひびに沿ってゆっくり筆でなぞる
まずスプレーで水を吹きかけてください。
すると漆喰壁の該当箇所が湿ることで、漆喰を塗り重ねる環境がこれで完成します。
水を加えた漆喰を適量、筆で取り上げてひびに沿ってゆっくりとなぞってください。
するとひびは完全に見えなくなることと思います。
この場合、塗った後に均すなどもほとんど必要がなく簡単です。
大きなひび
亀裂が入っているようなひびの場合、本格的に道具を用意して補修する必要があります。
道具は簡単に揃えられるものばかりですが、広範囲の補修にはやはり技術も必要です。
<用意する道具>
- ヘラ
- コテ
- 紙やすり
- 養生テープ・・・必要に応じて
- スプレー(霧吹き)・・・必要に応じて
<手順>
- 養生
- ヘラで漆喰を塗る
- 乾かす
- 二度塗り
- 紙やすりをかける
以下、手順の詳しい解説です。
1. 養生
「養生」とは建築現場などで、先に完成した部分や汚れるとまずい部分を、あらかじめ保護しておく、という専門用語です。
養生テープは様々な壁に貼れて、かつ剥がしやすいという特徴があり重宝されています。
コンセントなど濡れたり汚れたりすると困るものは、養生テープでしっかり保護してあげましょう。
2. ヘラで漆喰を塗る
漆喰をヘラですくい、そのままひびに沿って塗りつけていきます。
またひびが深い場合、見た目以上に量が必要になるので漆喰は多めに用意しましょう。
漆喰が多すぎて盛り上がっていれば、コテで丁寧に均します。
3. 乾かす
ひびを塞いだ所で一旦終わらせ、一定時間乾かしましょう。
乾かし過ぎた場合はスプレーで水を吹きかけると、塗りやすくなります。
4. 二度塗り
二度塗りをすることで自然な仕上がりになるので、面倒ですがもう一度漆喰を塗り、乾かします。
塗り方のムラも漆喰の味のひとつですが、周りと違和感のない塗り方も意識してください。
5. 紙やすりをかける
漆喰壁を仕上げたものの、翌日触ってみると少し違和感がある、という場合もあります。
漆喰が乾くことで形状が変化するからです。
そんな時は紙やすりで凹凸や歪みを修正してください。
穴の補修方法

何かをぶつけたなどで穴が開いた場合、穴の大きさによって対処方法も変わります。
小さな穴
釘やビスなどを外すと、壁には目立たないものの穴は残ります。
「ちょっとした穴だけどやっぱり気になる」という場合には、市販されている漆喰の穴埋め用チューブを使ってみると良いでしょう。
穴に漆喰を注入し、ヘラ状の道具で均して乾かせば元通りなので非常に楽です。
大きな穴
大きな穴が開いて、下地が完全に見えているという場合には専用の壁塗り道具を準備しましょう。
と言っても、先ほどのひびの補修で準備したものとほとんど変わりません。
<用意する道具>
- ヘラ
- コテ
- 紙やすり
- 養生テープ・・・必要に応じて
- スプレー(霧吹き)・・・必要に応じて
<手順>
- 養生
- ヘラで漆喰を塗る
- 乾かす
- 二度塗り
- 紙やすりをかける
流れも先ほどとほぼ同じ内容ですが、ひびはコンセントや窓などの近くでできることが多いので、養生も割と近い部分で行うことが多いです。
穴は人為的なことがほとんどで、場所も場合によって違いますが床は汚れないようにしっかりと保護(床養生)しておきましょう。
まず漆喰を穴でしっかり埋めて乾かし(必要があればスプレー)、二度塗りして仕上げていきます。
ひびの場合と同じように紙やすりで、綺麗に均し終えたら完成です。
こんな場合は専門家に!

以下のような場合はDIYではなく、専門家を頼ってください。
自分でやろうとすると大変なだけでなく、より傷を大きくしてしまったり、危険が伴ったりすることがあります。
ひび・崩れが多い
何か大きな問題があるかもしれないので、その原因を専門家に調査してもらう必要があります。
大きいひびや剥げ落ちている場所が多ければ、その漆喰壁(もしくは下地)に問題がある可能性があります。
判断基準は難しいかもしれませんが、「手に負えそうにない」と感じたら無理をしないことが肝心です。
ひび・崩れだけでなく、カビも生えている
漆喰壁はカビが生えにくい素材ですが、その壁にカビが生えていて、なおかつ大きくひび・崩れがあると全面的に塗り替える必要があるかもしれません。
カビ退治を完璧にするのも難しい作業なので、この場合も専門家に相談するのがおすすめです。
【まとめ】漆喰壁の補修は、DIYでも可能!
ちょっとしたひび・穴であれば、DIYでも簡単に補修することが可能です。
道具は簡単に揃えられるので、漆喰壁の面積が広い家ならあらかじめ準備しておいてもいいでしょう。
今回紹介した方法・コツを利用して、ぜひキレイな漆喰壁をキープしてください。
但し、あまりにもひどい状態のときは無理せず、専門家を頼ってくださいね。