壁紙とクロスって違うの?代表的な壁紙6種類の特徴を紹介

壁紙とクロスはよく名前を聞きますが、それぞれ違いがよくわからない人も多いかもしれません。

しかし、これらはほぼ違いがあるものではなく、同じものと考えて差し支えありません。

ここでは壁紙とクロスの違いやその種類、壁紙を選ぶポイントについて解説します。

壁紙とクロスは同じもので考えてOK

壁紙とクロスを違うものとして考える人も少なくありませんが、この2つはほぼ同じものと考えて問題ありません。

クロスとはいわゆる布のことですが、これはビニールクロス、いわゆるビニールでできた布状のものを略して呼ばれるようになったことが由来だそうです。

これに対して壁紙は、和紙を使用したことが由来だとも言われています。
文字通り壁に貼るための紙ですね。

日本の歴史上では壁紙が先に使われていましたが、価格がより安く施工しやすいビニールクロスが増えてきました。

また本物の和紙でできた壁紙は現在、高い技術が必要かつコストがかかるため、一般的な住宅で採用されることはまずありません。

そのためクロスを昔の名残で壁紙と言われることも多く、壁紙とクロスはほぼ同じものだと考えてよいでしょう。

代表的なクロスとその特徴

一般家屋ではビニールクロスが使用されるのが一般的ですが、それ以外にも様々な種類があります。

ここでは代表的なクロスとその特徴を解説します。

ビニールクロス

ビニールクロスはビニールでできたクロス(壁紙)のことです。

コストをかけずに製造でき、現在最も使われている壁紙だと考えて間違い無いでしょう。

ビニールのため、表面加工が容易で凸凹を表すこともでき、かつ色味も自由自在のため、デザインの幅が非常に多いことが特徴です。

ただし、ホルムアルデヒドが含まれている場合もありため、健康面を心配される方も多くいます。

近年では接着剤で有害物質を含むものはほとんど使われなくなってきており、糊で貼るのが主流のため、健康面の心配は大幅に減ってきてはいます。

布クロス

布クロスは木綿や麻などの自然素材でできたものや、パルプやポリエステルなど、化学繊維を使用した不織布壁紙、そのほかにシルクなどの高級素材を使ったものもあります。

ビニールクロスなどと比べると、素材感があり、高級感がでるあることが特徴でホテルや旅館で採用されることが多いです。

破れにくく、水の影響をあまりうけません。

しかし、ホコリを吸着しやすく、表面についたホコリを落としにくいため、掃除の際には、はたきなどで落とす必要があります。

また防火性がないものが多いため、キッチンなどでのは採用は難しい場合が多いです。

紙クロス

紙クロスは、和紙など紙でできたクロス(壁紙)のことです。

大まかに和紙と洋紙に別れており、和風でも洋風でも様々な表現が可能です。

中には、プリント加工などされたものもあります。

ただし、ビニールクロスの場合と比べると、厚みがないことが多く、貼り替えの場合や下地の凸凹がある場合、それが仕上がりに反映される可能性も。

また、高度な技術が必要になるため、施工費用が高額になりやすい点にも注意が必要です。

オレフィンクロス

オレフィンクロスはポリエチレン・ポリプロピレンなどを使ったビニールクロスに近い性質を持つ壁紙(クロス)です。

塩化ビニールの使用を大幅に減らしており、焼却しても有害物質が発生しないため、環境への配慮や火事が起きた場合、有害ガスによる影響もそれほどありません。

しかし、ビニールクロスよりも厚みがないため、下地の状態が反映されやすく、施工に技術が必要なため、DIYなどには向いていません。

珪藻土クロス

珪藻土クロスは珪藻土を配合したクロス(壁紙)のことです。

珪藻土の調湿性などの効果があり、カビなどを抑え、調湿性、ニオイを抑えてくれる効果も期待できます。

ただし、通常のクロスと比べると費用が高価になりやすく、また調湿性など機能はあるものの、その効果は本物と比べると大きく劣ります。

施工費では本物の珪藻土より抑えられますが、珪藻土の効果がどんなものか、その様子だけでも見たい人におすすめです。

木質系クロス

木質系クロスは薄くカットした木を紙に貼り付けたクロス(壁紙)です。

木製のプリントなどではなく、本物の木を使用しているため、見た目の印象がよく、落ち着いた雰囲気に仕上げられます。

また調湿性があり、快適な空間を作ることにも貢献してくれるでしょう。

ただし、費用が高額になりやすい点には注意が必要です。

また、見た目の重厚感や調湿性など珪藻土特有の効果は本物にはかないません。

クロスを選ぶポイント

クロスを選ぶポイント

クロスを選ぶときには、その見た目だけではなく、機能性や素材に注目して選ぶことも大切です。

ここではクロス(壁紙)を選ぶときのポイントを解説します。

素材

クロス(壁紙)を選ぶポイントはその素材感です。

ビニールクロスは厚みがあり、凸凹感やデザイン性も多く、漆喰調やタイル調などのデザインもあります。

しかし、それらはデザインが似ているものの、素材そのものの質感などは当然ありません。

こうした点から、本物であることにこだわるなら、紙や布、木質クロスを選んで見た目の素材感を楽しむのもおすすめです。

デザイン

クロスを選ぶポイントはデザインです。

デザインはビニールクロスが最も豊富ですが、それぞれの素材にしかないデザインも存在しています。

それらのデザイン性に着目して選ぶのもおすすめです。

機能性

クロスを選ぶポイントはその機能性にあります。

例えば、珪藻土クロスがもつ消臭性、調湿性などが挙げられるでしょう。

機能性のあるクロスは、ビニールクロスなどと比べて高いことが多いですが、コストを抑えたい場合には、アクセントクロスとして壁の一部にのみ採用する方法などもあります。

特に洗面所やトイレなどは調湿性があることで、より効果を実感しやすいため、それぞれの部屋の目的に合わせて選ぶのがおすすめです。

まとめ

この記事ではクロスと壁紙の違い、その種類やクロスを選ぶポイントについて解説しました。

クロスと壁紙は厳密に言えば違うものですが、混同して使われていることが多く、同じものとして考えてほぼ差し支えありません。

この記事を参考に、壁紙やクロスの種類についてその違いを知り、壁紙を選ぶ参考にしてください。