古くなった壁紙を漆喰に仕上げたい人も多いかと思います。
漆喰には調湿性などの機能があるだけではなく、見た目にも高級感があり、憧れる人も多いのではないでしょうか。
この記事では壁紙(ビニールクロス)を漆喰壁にリフォームするための手順やコツについて詳しく解説します。
壁紙に漆喰を塗る手順
壁紙の上に漆喰を塗る詳しい手順、必要な道具について解説します。
準備するもの
漆喰を塗るために準備するものが以下の通りです。
これらの道具はホームセンターなどでも全て購入できるはずです。
・カッター(スクレイパーも可)
・霧吹き
・コテ
・コテ板
・シーラー(※1)
・ローラー
・漆喰
・脚立
・マスキングテープ・マスカー(※2)
・養生テープ
・メッシュテープ
・タッカー
スクレイパーとは、壁紙を簡単にめくれるようになった道具のことです。
カッターよりも一度に広くめくれ効率的で、1,000〜2,000円程度で購入できますが、他にあまり使い道がないため、なくても十分に作業可能です。
※1 塗料などの付着をよくする下塗り材
※2 マスキングテープと養生シートを一体化させた資材
またこれらのグッズも必要に応じて準備してください。
・ゴム手袋
・新聞紙や濡れ雑巾
・作業用メガネ
・マスク
漆喰はアルカリ性のため、直で触れると肌荒れを起こしてしまいやすいです。
目に間違って入ってしまうと、場合によっては病院に行く必要も出てきます。
細かい埃が出るため、快適に作業したいのであればマスクも欠かせません。
漆喰を塗るための手順
では次に壁紙に漆喰を塗るための詳しい手順について詳しく解説します。
壁紙の上から漆喰をDIYで塗る手順は「練済みヨーロッパ漆喰MARBLE(マーブル)」の動画で丁寧に解説してあります。
コチラも参考にしてください。
▼ クリックするとYouTubeが開きます ▼
[youtube id=or1TqQd7lrg]
1.養生する
最初に養生(塗装する場所の保護)をしっかりと行いましょう。
具体的には以下の手順で行います。
・壁の近くにある家具・ポスターを漆喰が塗れる程度まで動かす
・コンセントやスイッチを養生テープで塞ぐ
・建具や漆喰と塗らない部分の境目をマスキングテープでカバーする(壁から1〜2mm空ける)
・布団などに漆喰が被らないようしっかりとカバーする
マスキングテープを貼る際には1〜2mmほど感覚を空けて貼るのがポイントです。
こうしておかなければ、マスキングが漆喰の内側に来てしまい、剥がすときに漆喰を傷つける可能性があります。
ただし、慣れた人でも漆喰の塗りは、その広さによって1日〜1週間程度かかります。そのためこの養生は基本的に1室ずつ行いましょう。
養生を行うことで、壁や塗らない部分を汚さずに済みます。
最後には剥がしてしまうものですが、養生は仕上がりの美しさにも影響しますので、丁寧に作業してください。
漆喰は細かい粒子が飛んでしまうため、DIYをする場合は、中にある家具全て外に出す方が好ましいですが、大きい家具やベッドは難しい場合もあります。
その場合は、マスカーを使って漆喰の粉が入り込んでしまわないようにしっかりとカバーしましょう。
2. 浮いている部分や剥がれかけている部分を剥がす(必要の応じて)
次に浮いている、あるいは剥がれかけている壁紙があればそれを取り除きましょう。
壁にしっかり貼り付いている壁紙をわざわざ剥がす必要はありません。
しかし、浮いている壁紙はその凸凹が漆喰の表面に浮き上がってくることがあります。
そのような部分は、カッターやスクレイパーを使って剥がしましょう。
特にジョイント部分については、浮きや剥がれが起こりやすいため、しっかりと確認し、必要であれば剥がしてください。
3. 残った裏紙をめくる(必要に応じて)
壁紙を剥がすと、裏紙が残ることがあります。
この裏紙も丁寧に剥がす必要があります。
剥がすには霧吹きで壁に軽く水を吹き付けましょう。
しばらく経つと裏紙がふやけてくるので、手やカッター、スクレイパーを使って簡単に剥がすことができます。
4.メッシュテープを貼る
壁の小さなねじ穴や壁紙の継ぎ目にメッシュテープを貼ります。
壁紙の継ぎ目は経年劣化による剥離が起こりやすい場所のため、メッシュテープを用いて補強を行います。補強を行うことで塗装後の漆喰のヒビ割れを防ぐことができます。
5.タッカー止めを行う
壁紙は経年劣化によって壁から剥離する可能があります。
剥離を起きると漆喰のヒビ割れなどの原因となるため、タッカー止めを行いましょう。
タッカー止めは30~40センチ間隔でまんべんなく行うのがコツです。
6. シーラーを塗る
次はローラーでシーラーを塗りましょう。
塗り忘れると、漆喰が剥がれる恐れがあるため、全体に満遍なく丁寧に作業してください。
ローラーが届かないところは刷毛で塗りましょう。
30分〜1時間ほど空けて少し乾かしてから漆喰を塗り始めます。
7. 漆喰を塗る
漆喰を塗ると一言でいっても、いくつか手順があります。
漆喰を塗る時には以下の手順で行なっていきます。
・コテ板に練った漆喰を乗せる
・コテ板を壁にくっつけながら、コテで漆喰を壁に塗りつける
・このとき下から上に薄くのばすようにする
塗りながら少しずつ角度を水平にしていくと、きれいに塗れますよ。
コテの角度を立てすぎると、漆喰を削いでしまうこともあるので注意してください。
また、このとき厚みを出しすぎないよう、なるべく薄く仕上げるようにします。
厚みの目安としては1〜3mm、下地が透けて見えてしまわない程度を目安にするとよいでしょう。
平滑に仕上げるのはかなりの技術が必要ですが、コテムラを少し残しながら仕上げても独特の味わいがありますよ。
塗り終わったら、乾く前にマスキングテープを剥がしてください。
乾いてから剥がしてしまうと、漆喰を削ってしまうこともあります。
また、漆喰がある程度乾いたら、家具やベッドを元の位置に戻しましょう。
壁紙に漆喰を塗る際の注意点

DIYで寝室の漆喰を塗るときにはいくつか注意するべきことがあります。
この注意点を守らなければ、寝室の漆喰を塗った後剥がれてしまうなどして失敗してしまいますよ。
家具はできれば外に出す
DIYで壁紙の上から漆喰を塗る場合、できれば家具は外に出しておきましょう。
漆喰は細かい粒でついてから拭き取ろうとすると細かい傷が入ってしまうこともあります。
そのような事態を回避するには外に出して粉が付着しないようにすることが効果的です。
それが難しい場合には、マスカーをしっかりとかけてテープで塞ぎ粉が侵入してしまわないようにしましょう。
家全体を漆喰で仕上げたい場合は、まずせまめの部屋から行い、動かしやすいスペースなどを作ってから、そこに家具などを動かすという方法もおすすめです。
養生はしっかり
壁紙の上に漆喰を塗るときには養生をしっかりとすることが大切です。
・壁や建具の間
・家具の養生
・床の養生
養生は最終的には剥がすものですが、いかに丁寧に養生をしているかが仕上がりに与える影響は小さくありません。
丁寧な作業を心がけましょう。
下地処理を丁寧に
漆喰を塗る際、下地処理は丁寧に行いましょう。
・浮いている壁紙を剥がす
・裏紙までしっかりとめくる
・シーラーを塗り忘れなく塗る
これらの作業を必ず守ってください。
下地処理が甘いと、漆喰を塗った後で、剥がれてしまう原因になります。
DIYの失敗で多いのが、このような下地処理がきちんとできていないことです。
しっかりと作業しましょう。
厚塗りはしすぎない
漆喰を塗る時には厚塗りしすぎないように注意してください。
漆喰を塗る際にはなるべく1〜3mm程度を維持します。
それ以上の厚みで塗ってしまうと、漆喰の自重に耐えきれず、剥がれてしまう原因になります。
壁のカビやタバコがひどい場合は全てめくる
壁のカビやタバコがひどい場合は、手間がかかりますが、壁紙を全て剥がすのがおすすめです。
これらを放置したまま漆喰を上から塗ると、施工後にカビが繁殖する、またはタバコのアクが漆喰に出てきてしまうなどして、失敗の原因になります。
壁紙を全て捲るのはそれなりに手間がかかる作業ですが、既存の壁紙の状態によってはここまで行うことも検討しましょう。
まとめ
この記事では壁紙の上から漆喰を塗るための手順や注意点について解説しました。
DIYで壁紙の上に漆喰を塗るのは養生や下地処理などをしっかりと行っていれば、十分に作業可能です。
この記事を参考に壁紙の上に漆喰を塗ることに挑戦してみてください。